このページは、次のように考えている方におすすめです。
- ストック動画(映像)素材を使うメリットって何?
- ストック動画素材に興味があるんだけど、どう使えばいいのかよくわからない…
僕がストック動画素材を使い始めてから1年半ほど経つのですが、今ではなくてはならない存在となっています。
実は、使い始める前はストック動画素材の必要性はあまり感じていませんでした。しかし、国内外の動画を大量に見ていくうちに「あ、こんな使い方もあるのか!」といった発見がいくつもあり、段々とその便利さに魅了されていきました。
本記事では、なぜストック動画素材を使うべきか、どのような時に使うといいのかをお伝えしていきます。
同時に、素材を使う時の注意点やよく使われる人気の素材サイトもいくつか紹介します。
※ 当ページはPRを含みます。
もくじ
そもそもストック動画(映像)素材って何?
ストック動画素材とは、自分または他の人が、後でさまざまな目的で使用するために撮影された「素材」としての動画のこと。
汎用性が高く、YouTube動画、InstagramやYouTube広告、テレビ番組、ミュージックビデオなど、あらゆる動画制作に使用されています。(具体的な用途については後ほど解説)
ストック動画素材は以前と比べて格段に使いやすくなっている
最近では動画の需要が高まっているのに比例して、ストック動画素材サイトや、素材を販売して生計を立てているクリエイターが急増しているため、ストック動画素材は以前よりも格段に使いやすくなっています。
無料で使用できる素材も数多くありますし、有料素材でも、個人で活動しているクリエイターが気軽に手が出せるくらいお手頃な価格に設定されていたりします。
ストック動画素材を使うべき5つの理由
ストック動画素材をこれからの動画制作に取り入れるべき理由は以下の通り。
動画を撮影する時間を節約できる
これは明らかな理由なのですが、ストック動画素材を使うことで動画撮影の時間を節約できます。
機材をセットアップしたり撮影する必要はないですし、出掛けるための準備、撮影場所までの移動時間、撮影許可を撮る手間も省けます。
また、撮影する予定だったのに、「あぁ、天気が!」となって予定を変更することでロスしてしまう時間ともおさらば。予定変更は1人ならまだマシと言えますが、誰かと一緒に撮影する約束をしていたらさらに面倒なことになります。
ストック動画素材なら一歩も動かずに指先の操作だけで手に入れられるので、そういったことを回避できます。撮影すること自体がめんどくさい時にも助かりますよね。
移動費や機材費用を節約できる
撮影するなら移動費や機材の費用は付きものですが、ストック動画素材なら完全無料、または素材の使用料だけで済みます。
サイトによっては、数百万円もするカメラで撮影された8K動画やRAWで撮影された動画も利用可能。しかも、サブスクリプション型(定額型)でダウンロードし放題だったりします。
普段の撮影費用を節約できるだけでなく、高価で手が出せないカメラで撮影された、高品質な映像を気軽に使えるのもストック動画素材の魅力です。
撮影スキルがゼロでもプロレベルの映像を手に入れられる
予算に余裕があって高価な機材を購入できたとしても、素晴らしい映像を撮れるわけではありません。
質の高い映像を撮るためには確かな撮影スキルが必要です。「初心者のスキル+100万円のカメラ」より「プロのスキル+スマホ」の方が良い映像を撮影できます。
ストック動画素材なら「プロのスキル+100万円超えの高価なカメラ」で撮影された映像が手に入ります。なんの努力も必要としません。
もしあなたが動画撮影に関しては初心者であったり、そもそも動画撮影に興味がない場合は、手っ取り早くストック動画素材を使って動画の質を向上させることは賢い選択だと言えます。
視聴者のほとんどは「どのように撮影したか」という過程には興味はありません。「動画でどう感じたか、どのような価値を得られたか」が一番重要です。
自分で撮影するのがほぼ不可能な映像を入手できる
良い機材や素晴らしいスキルを持っていたとしても、理想的な映像を撮影できるわけではありません。
例えば、以下のようなシチュエーションだとかなり難しいはず。
- 日本に住んでいるけど、海外の風景映像が必要
- いまの季節は冬なのに、夏のビーチの映像が必要
- ドローン映像がほしいのに、自分が住んでいる地域や周辺地域ではドローンの使用禁止
なんとか撮影可能だったとしても、大変な思いをしてまで撮影する必要があるかは疑問。有名ブランドのCMのように撮影するために多額の予算が用意されているなら問題はないかと思いますが、大体の場合は「そこまで苦労して映像を手に入れる必要はないかな」と諦めてしまうはず。
こういった時にストック動画素材なら、悩みを解決できます。
映像が急遽必要になっても大丈夫
動画制作の現場ではさまざまな理由によって、急な予定変更は日常茶飯事。予定変更のせいで急遽新たな映像が必要となってパニクった時には、ストック動画素材が活躍することもしばしば。
インターネット環境さえ整っていれば、ストック動画素材は365日24時間、どこにいても手に入れられるのでピンチを切り抜けられます。
ストック動画素材の使い方(具体例付き)
ストック動画素材がどうやって使われているかをイメージしやすいように具体例をいくつかご紹介します。
動画のB-roll
B-roll(ビー・ロール)とは
B-rollとは、メインの映像(A-roll)に、サブとして入れる(上から重ねる)映像のこと。
例えば、「節約術」の話をカメラに向かって話している時に、途中でお金に関する動画素材(紙幣・貨幣・貯金箱)を見せるとします。それらの素材は「B-roll」となります。逆にカメラに向かって話している話者の映像は「A-roll」です。
ストック動画素材は、「B-roll」として使う機会が一番多くなるかと思います。
「B-roll」を使うメリットをシンプルに言うと、視聴者が途中で動画に飽きてしまうのを避けられるということ。
カメラに向かってずっと変化がなく話している動画って途中で飽きてきますよね。(飛び抜けた話術や超面白いストーリーがあるなら別ですが)
途中で、内容に関連のある動画を挿入することで変化をもたらしたり、視聴者が内容をイメージする時の負担を軽くすることで、より長く動画を見てもらうことが可能となります。
動画を長く見てもらうことで、YouTubeならそれが評価され、「おすすめ動画」として表示されますし、視聴者の満足度も上がることで、新規登録者やファンを増やすことにも繋がります。
せっかく視聴者が動画という媒体で見てくれているので、視覚で訴えることができるという利点を最大限に活かしましょう。
顔出しなしのYouTube動画
ストック動画素材を上手く使うことで、顔出しを一切しなくても動画を作ることができます。実際にそういった動画を作って投稿している、人気のYouTubeチャンネルが多数あります。
顔出しOKにしていても、とある理由から顔出しができない時もあるかと思いますので、そのような時にもストック動画素材は便利です。
ストーリー(物語)を語る系の動画
何かストーリーを語る動画なら、ストック動画素材にナレーションを追加するだけで簡単に動画ができてしまいます。
ざっくりと例を挙げると以下の通り。
- 地球環境や環境問題に関する話
- 将来、テクノロジーはどのように進化していくのか
- スポーツで人生が変わった話
- 動物(イヌやネコ)の知られざる生態
- 音楽が人間の脳や性格に与える影響
- コロナウイルスが日本に与えた影響
じっくり考えれば可能性は無限大かと。
モチベーション系の動画
ストック動画素材を使えば、人に感動や勇気を与えられるような動画も作ることができます。
良い例を挙げるなら、チャンネル登録者数が20万人超えの「ユニグラ」というYouTubeチャンネル。
このチャンネルはモチベーションアップやゴール達成に役立つような内容の動画を投稿しているのですが、作成者は動画を一切撮影していません。その代わりに、ストック動画素材や引用動画、テキストを使って動画を作成しています。
このタイプの動画は日本ではまだ少ないのですが、海外ではかなりの人気があり、登録者数が100万人を超えるチャンネルがいくつもあるほど。
動画広告
僕はInstagramとYouTubeのヘビーユーザーなのですが、ストック動画素材を使用した動画広告は頻繁に見かけます。
Webサービス・アプリ系、オンライン講座の動画広告だと比較的使いやすい印象を受けます。特に動画編集ソフトやアプリ、動画関連サービスは相性が良いのでかなり頻繁に使われています。
実は僕も、Artgridというストック素材サイトからダウンロードした素材を使って、InstagramとFacebook用の動画広告を制作したことがあります。
撮影する手間が省けた上に、それが報酬に悪影響を与えることはなかったので、かなりお得な経験をしました。今後も依頼内容とマッチすれば積極的に使っていく予定です。
ミュージックビデオ(MV)
ミュージックビデオには決まったルールがなく、クリエイティブで自由なことができるので、ストック動画素材は意外と使いやすいです。
Coldplayの「Up&Up」のMVからは良いインスピレーションを得られますよ。
音楽が良いのはもちろん、MVを見るのも楽しいですよね。
動画編集のチュートリアル動画
個人的には、動画編集のチュートリアル動画制作でもストック動画素材がほぼ必須。
以前作った「InShot(無料アプリ)の使い方の動画」は、YouTubeで30万回以上再生されています。無料アプリ+ストック素材だけで作っただけなのに、知名度の向上と予想を遥かに上回る広告収入を得ることができました。
少し前に作ったトランジションエフェクトの紹介動画でも使ったりと、制作時間の短縮には欠かせない存在となっています。
顔出しNGだけどYouTubeで稼ぎたいという場合、「動画編集のチュートリアル+ストック動画素材」は最高のコンビかもしれませんね。(動画編集が嫌いでなければ)
ストック動画素材を使う時の注意点
ここまでお伝えしてきた通り、ストック動画素材は間違いなく便利。しかし、使い方を間違ってしまうとマイナスな要素となってしまうこともありますので、以下の注意点はおさえておきましょう。
ストック動画素材をランダムに選ばない
ここでの「ランダムに選ばない」というのは、内容や雰囲気と合っていない素材(統一感のない素材)を適当に選ばないということ。
ストック動画素材を使う場合は、視聴者に違和感を与えることだけは避けるべきです。内容や雰囲気とマッチしていないと、どんなに良い映像でも台無しとなってしまいますし、逆に足を引っ張る存在にすらなってしまいます。
関連動画のリストを活用したり、同じ撮影者によって撮影された映像に統一するなどの工夫が必要です。
フレームレートやアスペクト比を統一する
フレームレートやアスペクト比については別の記事で解説してありますので、ここでは流しますが、素材を使うときはそれらが同じ数値のもので統一しておきましょう。
これも視聴者に違和感を与えてしまうのを避けるためです。
アスペクト比に関しては、8Kなどの素材を選ぶことで画質を落とすことなく、デジタルズームでアスペクト比・構図を変更できます。(理想的ではありませんが)
著作権を侵害しないように規約を確認してから使用する
ストック動画素材を使うなら、ダウンロード元となるサイトの利用規約を読むことは大前提。読むのは面倒に感じてしまいますが、後でトラブルになってしまう方が何倍も面倒なのでしっかりとチェックしておきましょう。
利用規約の内容はサイトによって様々で、使用できる用途・範囲もバラバラ。
無料の素材だと制限が多い傾向があり、クレジット表記が必要であることもよくあります。
クレジット表記とは… コンテンツの概要欄などに素材の配布元リンクを貼ったり、著作権を保有している人物・団体の名前を記載したりすること
有料サイトの素材であっても「エディトリアル使用のみ(Editorial Use Only)」と記載されていたりすると、商用利用ができない場合もあります。
実は、僕はそれに気づかずに素材を使用して、失敗してしまった経験があります。有料だから大丈夫と油断していました。同じミスをしないように規約をしっかりと確認しておきましょう。
知っておきたいストック動画素材サイトの種類
ストック動画素材サイトは大きく分けて3種類あります。
- 無料
- 有料(単品)
- 有料(サブスクリプション、定額)
予算的に厳しい場合は、とりあえず無料サイトを使いたくなりますが、可能な限り有料サイトを利用すべきです。
その理由は、無料サイトには怪しいサイトもあり、著作権に関する規約が明確でなかったり、他のサイトからとってきたりしている可能性があるからです。安全な無料サイトであっても、素材の選択肢が少な過ぎて物足りない上に、機能性が低いことで素材探しに時間がかかってしまいます。
結果的に、無料であるはずなのに、トータルで見ると有料サイトよりもコストが掛かってしまっていたなんてことになりかねません。
そんなこと言われても、金欠だし…
こう思うかもしれませんが、動画ブームのおかげで、格安のサイト・サービスが続々と登場しています。従来の単品購入型だと確かにコストがかなり掛かってしまう傾向がありますが、最近流行りのサブスク型だと、1ヶ月あたり2,000円台で全ての素材がダウンロードし放題だったりします。
サイトによってはその価格で、Premiere ProやDaVinci Resolve、Final Cut Pro向けの動画テンプレート(タイトル・モーショングラフィックス等)もセットで使い放題ですので、意外とハードルは低いかと思います。
国内外で人気のある動画素材サイト
最後に国内外で人気のある、おすすめの動画素材サイトをいくつか抜粋してご紹介します。
Pixabay(ピクサベイ)
無料で手に入る動画素材を探しているなら、まずは「Pixabay」をチェックしておきましょう。
Pixabayとは、動画だけでなく、写真・イラスト・ベクター画像をフリー素材として配布している素材サイトです。
どちらかというと写真や画像がメインのサイトではありますが、高品質なフリー動画素材も10万点以上あります。
Pixabayの素材は商用利用OKな上に、クレジット表記が不要となっています。
Pixabayは創作に意欲的なコミュニティであり、著作権フリーな画像や映像をお使いいただけます。すべてのコンテンツはPixabayライセンスにおいて公開されています。営利目的であっても著作者に対する許可やクレジットは不要で安全にお使いいただけます。
引用元: Pixabay 公式サイト
Shutterstock(シャッターストック)
Shutterstock(シャッターストック)は世界的に有名なサイトで、ロイヤリティフリー画像・動画・音楽素材などを提供しています。
価格は比較的高めに設定されているため、個人で活動しているクリエイターだと少し手を出しづらいのですが、質は素晴らしいので検討する価値あり。
Shutterstockでは、単品とサブスクが選択可能です。
単品だと4K素材が¥20,000となっていて少しためらってしまいますが、サブスクだと、動画素材1点あたり2,000円くらいになりますので、定期的に利用するのであれば試す価値はあるかと思います。
Artgrid(アートグリッド)
Artgrid(アートグリッド)は、動画素材サイト界に革命を起こしている大注目の新星。
サブスク型を採用しており、圧倒的の料金の安さであるのに加えて、8K動画やRAW/LOGにも対応している常識破りの特徴を持っています。
また、ライセンスもシンプルなおかげで、素材が使いやすいのも特徴の1つ。
最近では、Artgridに続いて似たようなライバルサイトが出てきてはいますが、現時点ではArtgridが頭一つ抜けている感じです。
動画需要の増加に合わせて、素材の数や機能も日々改善を続けていて、かなり使いやすくなっています。
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Motion Array(モーションアレイ)
Motion Arrayはストック動画素材だけでなく、画像素材・音楽素材、動画テンプレ(モーショングラフィックス・トランジション等)も提供しているサブスク型マーケットプレイスです。
素材の質はArtgridには敵いませんが、数では圧倒的にMotion Arrayが勝っています。
僕はArtgridと併用していて、求めている素材がArtgridで見つからなかったら、Motion Arrayで探す流れとなっています。
そうすることで、大抵の場合、求めている動画素材が見つかります。ただし、日本人素材はあまり見つからないので、そういった素材が多数必要なら、Shutterstockがおすすめです。
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