このページは、次のように考えている方におすすめです。
- 動画撮影しようと思って色々と設定してるんだけど、フレームレートの意味がわかんない
- 動画編集ソフトで動画編集をしようとしてるんだけど、フレームレートはどの数値に設定すべきなのかわからない…
もし動画撮影時にカメラの設定を操作したり動画編集ソフトを使ったことがあるなら一度は、「フレームレート」という単語を見かけたことがあるかと思います。
ただ、初めて見る場合は、「そもそもフレームレートって何だろう」や「どの数値に設定すればいいんだろう」といった疑問が湧いてきますよね。
この記事では、そういった疑問を解消できるように初心者向けに分かりやすく解説をしていきます。
もくじ
フレームレートとは?
フレームレート(fps)とは、1秒間の動画にどれだけの画像が記録されているかを表す数値です。
そもそも、動画は複数の連続的な画像でできています。
パラパラ漫画をイメージすると分かりやすいかと思います。
フレームレートに関して話をするなら、画像の数は「コマ数」や「フレーム数」と言い換えることもできます。
フレームレートの単位とよく使われている種類
フレームレートの単位はfps(frames per second)が使われていて、よく使われる種類(数値)は以下の通り。
- 24
- 25
- 30
- 50
- 60
例えば、24だと、24fpsと表現されて、1秒間の動画が24枚の画像できているという意味になります。(6×4でアニメーション表示)
よく使われている数値として、上記の5つの数字お伝えしましたが、「25」と「50」に関してはヨーロッパやオーストラリアを含む「PAL」と呼ばれる映像方式を採用している国でのみ使われていて、日本国内では使われていません。
とりあえずは「24、30、60」さえ覚えておけばなんとかなります。
各フレームレートの特徴や用途・使い分け
では続けて、「24、30、60」のそれぞれの特徴や用途・使い分けをみていきましょう。
24fps(23.98、23.976)
24fpsは映画でよく使われているフレームレートです。
YouTubeでも映画のような雰囲気を出したい時に使われています。
もし一眼レフやミラーレスで撮影する場合は、「23.98(23.976)」という数字を見ることが多いかと思います。
この中途半端な数字は、とある技術的な事情で使われ始めたのですが、大半の場合は、24fpsの意味合いで使われています。
「変な数字使うんじゃねーよ」って思いますよね.. 僕もそう思います。
深い話はしませんが、実はデジタル放送やインターネット上で使われている現代の技術があれば、24fpsちょうどでも大丈夫なんですよね。
業界では既に23.976がスタンダードになっていて、切り替えのコスト等の理由で、移行が困難だったのでいまだに使われているというのが現状です。
スマホはインターネット上で動画をシェアするのが前提であるため、24fpsちょうどで動画を撮影できるようになっているはずです。
撮影と編集のフレームレートは統一しよう
フレームレートは撮影だけでなく、編集の時も必ず設定する必要があります。
プレミアプロやDaVinci Resolve等の動画編集ソフトのタイムライン設定の際は、必ず撮影時に設定したフレームレートと同じフレームレートに設定するようにしてください。
もし撮影と編集でのフレームレートが異なると、「音ズレ」が発生してしまいます。
なので、23.976で撮影するなら編集時の設定も同じく23.976、
撮影時が24なら編集時も24と、統一しておきましょう。
書き出し(レンダリング)も基本的に同じです。
30fps(29.97)
30fpsはテレビやYouTubeなどで一番よく使われているフレームレートです。
映画のような雰囲気を出さない場合は、大体このフレームレートで動画を作ることになるかと思います。
最近の当メディアの動画は大体、30fpsで撮影して、編集の時も30fps、書き出しも30fpsと、初めから終わりまで、すべて30fpsで統一されています。
と書きましたが、正確には29.97です。
これも24の時と同じような感じで30fpsの意味で使われることがほとんどです。
繰り返しになりますが、29.97で撮影したなら、編集時のフレームレート設定も同じく29.97にしておきましょう。
30ではありません。29.97です。
重要なので強調しました。僕は過去にこれで大失敗をしてしまった経験があります…
60fps (59.94)
60fpsは基本的に2つの用途があります。
動画を滑らかな見た目にしたい時
1つ目は動画を滑らかな見た目にしたい時。
60fpsだと、1秒間に使われるフレーム数が多いことで24や30と比べると映像が滑らかに見えます。
なので、ゲーム実況やスポーツ系の動画のような、被写体の動きが多い動画ではよく使われています。
ただし普段、普通に人や物を撮影する場合は60だと滑らかすぎて違和感をおぼえたり、不自然に見えてしまうのでほとんど使われることはありません。
不自然に見えてしまう理由は、人の目は30fpsくらいの滑らかさに慣れているから。
人によっては60fpsなどの数値の高いフレームレートだと酔ってしまうことがあるそう。
注意が必要ですね。
スローモーション
60fpsの2つ目の用途は、スローモーション。
前提として知っておきたいのは、スローモーションは、基本的には撮影した動画を、後で編集時に速度を落とすことで出来上がるということ。
スローモーションを動画で使わない場合は、30fpsで撮影・編集・書き出しといった感じで、始めから終わりまで一貫して同じフレームレートで問題ありません。
しかし、動画をスローモーションにしたい場合は少し異なります。
例えば、30fpsで動画を作る予定で、その動画に50%の速度のスローモーションを取り入れたいとします。
その場合、まずは、動画編集ソフトのタイムラインの設定では30fpsとなりますよね。
そこに30fpsで撮影した映像を取り込んで、それを50%のスピードに落とすとどうなるでしょうか?
そうです、カクカクしたスローモーションが出来上がってしまいます。
こうなる理由は、単純に、スムーズに再生するために必要なフレームが半分足りなくなるからです。
実質、15fpsになってしまいますからね。
スムーズな映像を再生するために必要なフレームレートが30のところに15の映像。
明らかに足りないですよね。
なので、スムーズなスローモーションにするなら、
60fpsで動画を撮影して、それを動画編集ソフトで50%のスピードに落とせば、良い感じに仕上がります。
もし120fpsで撮影すると、25%の速度のスムーズなスローモーションを作れます。(30fpsの動画の場合)
スマホのスローモーション撮影機能
もし、スマホのスローモーション機能を使って動画を撮影する場合は、撮影を停止した時点でスマホが自動的にスローモーションにしてくれるため、編集時に速度を変える必要はありません。
ただし、iPhoneだけかもしれませんが、スローモーション機能は120fpsと240fpsにしか対応していないので、50%の速度のスローモーションにしたい場合は、通常の撮影モードの60fpsで撮影する必要があります。
60fpsのデメリット
最後に60fpsのデメリットを少しお伝えします。
デメリットはいくつかあるのですが必ず覚えておきたいのは、デバイスの空き容量を圧迫しやすいということ。
60fpsの動画は30fpsの動画を比較すると、単純計算で2倍のファイルサイズとなってしまいます。
例えば、iPhoneで解像度が4K、フレームレートを60fpsに設定して動画を撮影すると、1時間で約23.4GBの容量を消費してしまいます。
しかも、このサイズはHEVC(H.265)という新しい動画圧縮形式を使った場合です。
もしHEVCに対応していないカメラで撮影するとなると大変ですよね…
当然、編集で使うパソコンの容量も気にしないといけません。
容量だけでなく、パソコンのスペックにも配慮する必要があります。
なぜなら、60fpsの動画は24や30fpsの動画と比較すると、編集時により多くのパワーが必要だからです。
もしお持ちのPCのスペックが十分でないと、編集作業が長時間になってしまったり、PCを買い換えるコストがかかってしまいます。
60fpsを扱うなら、こういったデメリットもあることを頭に入れておきましょう。
ここまで理解できていれば、次からの撮影や編集時は、どのフレームレートに設定すればいいかが自然とわかるかと思います。
数字がたくさん出てきて困惑しているかもしれませんが、フレームレートを意識して動画をいくつか作ってみればすぐに慣れますので、ご安心を。