このページは、次のように考えている方におすすめです。

  • 動画編集のテンプレート・素材サイトを探していてMotion Array(モーションアレイ)とEnvato(エンバト)を見つけたんだけど、どっちが良いのかわからない
  • 動画素材・テンプレサイトを使って動画編集の時間を短縮したい

この記事では、Motion ArrayEnvato両方の使用経験のある筆者が、動画制作者・動画編集者向けにどちらのサイトを選ぶべきかを、両サイトをいくつかの項目に分けて比較しながら解説していきます。

どちらが良いかは「自分にとって一番重要なのはどの種類の素材か」や「どの動画編集ソフトを使っているのか」などによって答えが変わってきます。この記事を最後まで読むことでそれが明確になるはずです。

2024年8月1日にEnvato Elementsのサービス名が変更されました。

旧サービス名: Envato Elements
新サービス名: Envato

常に最新の情報を掲載できるように努めていますが、価格やサービス内容など、現在と相違がある可能性があります。最新の正確な情報はそれぞれの公式サイトで確認するようにしてください。

※ 当ページはPRを含みます。

まず先に結論としては、Motion ArrayとEnvatoはそれぞれ下記のような方にオススメします。

Motion Array

  • とにかく動画重視(その他のグラフィックデザイン系素材は必要ない)
  • 素材だけでなく他の動画関連サービスもほしい
  • Adobe Premiere Rushユーザー
  • AIナレーション機能がほしい

Envato

  • とにかく安い料金を求めている
  • 動画素材だけでなく、Webデザイナー・グラフィックデザイナー向けの素材もほしい

Motion Array と Envatoをカンタン比較

Motion Arrayのトップページ。
Motion Array
Envatoのトップページ。
Envato

この記事で詳しく解説する比較のポイントを「5段階評価」で表にしてまとめてみました。

横スクロールできます →

Motion ArrayEnvato
料金45
素材の質44
素材の数45
ライセンス43
素材以外のサービス43
返金保証原則なし原則なし
※ 表内の評価は自分の経験と事実に基づき、総合的に判断しました

Motion Array と Envatoの根本的な違い

まず各比較項目を詳しくみていく前に、それぞれのサイトの根本的な違いについて触れておきます。

Motion Array と Envatoは、よく比較されることが多いのですが、それぞれの立ち位置・ターゲットとしている人は以下のように異なります。

Motion Arrayの概要

Motion Array(モーションアレイ)は動画制作に特化しているサイトで、動画クリエイターや映像制作者向けのオールインワンプラットフォームです。

Premiere Pro、Final Cut ProDaVinci Resolveといった人気の動画編集ソフトに対応したテンプレートを大量に扱っていますし、ストック映像素材や動画向けの音楽・効果音も扱っています。

素材だけでなく動画制作において便利なツールもいくつか同時に追加料金なしで提供しています。

Motion Arrayで取り扱っている素材の種類は以下の通り。

  • Premiere Proのテンプレート・プリセット・モーショングラフィックステンプレート
  • After Effectsのテンプレート・プリセット
  • Premiere Rushのテンプレート
  • DaVinci Resolveのテンプレート・マクロ
  • Final Cut Proのテンプレート
  • 音楽&効果音
  • ストック映像素材・モーショングラフィックス
  • 画像

Envatoの概要

Envato(エンバト)は動画制作者だけでなく、オンライン上でクリエイティブな仕事をする人(デザイナー等)向けとなっており幅広い顧客層をターゲットとしています。

そのため、動画テンプレ・ストック映像素材・音楽といった動画関連以外のグラフィックテンプレートや写真・フォントなど、クリエイティブな仕事で活躍するアセットも幅広く提供しています。

Envatoと言えば世界最大級のデジタル素材のマーケットを所有している企業であり、規模が相当大きいですし、価格もリーズナブルであることで知られています。

動画制作には関係ないグラフィックテンプレート等が必要ないとしても、動画関連の素材も大量に扱っているので無視はできない存在です。

Envatoで取り扱っている素材の種類は以下の通り。

  • 動画テンプレート(Premiere Pro, After Effects, Final Cut Pro, Apple Motion, DaVinci Resolve)
  • 映像素材(ストック映像)
  • 音楽・効果音
  • グラフィックデザインテンプレート
  • フォント
  • PhotoshopやIllustrator用のアドオン(拡張機能)
  • 画像
  • ワードプレス(テーマ&プラグイン)
  • CMSテンプレート
  • Webテンプレート
  • 3D素材

どっちの方が安い?両サイトの料金比較!

Motion ArrayとEnvato、両サイトともサブスクリプション型の料金体系を採用しており、定額料金を支払うことで、素材を使い放題(無制限でダウンロードし放題)となります。

Motion Arrayの料金

Motion Arrayでは元々、素材の個別販売をしていたのですが、2018年12月から全ての素材を無制限でダウンロードできる定額制に変更となりました。

Motion Arrayの料金表。

Motion Arrayには5つのプランがあります。

  • Video Templates(動画テンプレート、プリセット、モーショングラフィックス)
  • AI Voiceover(AIナレーションのみ)
  • Everything(上記のプラン内容に加えて、フッテージ、音楽、効果音、プラグインなど)
  • Business(主に大規模な組織向けのカスタムプラン)
  • Teams(2〜7名のチーム向け)

AIナレーションはMotion Arrayの新たな機能で、文章を入力すればAIがその文章をもとに音声を生成してくれます。

ふきだし用の顔アイコン。

動画テンプレとモーショングラフィックスだけほしい

という方は、Video Templatesプランが向いています。(チームとして使用する場合を除く)

Video Templatesの月額プランと月額プランの料金は次の通りです。($ = アメリカドル)

  • Monthly(月額プラン)→ $23.99/月
  • Annual(月額プラン)→ $191.88/年

ただし、フッテージ(ストック映像素材)や音楽・効果音もほしい場合は、上位プランである「Everything」に登録する必要があります。Everythingプランの料金は以下の通り。

  • Monthly(月額プラン)→ $39.99/月
  • Annual(月額プラン)→ $299.88/年

お得な特典あり

年間プランに登録すると、「2か月分無料」の特典を受けられます。(現時点で最もお得な割引)

対象プランは以下の通り:

  • Video Templatesの年間プラン(特典適用で、約4,800円お得)
  • AI Voiceoverの年間プラン( 特典適用で、約3,300円お得)
  • Everythingの年間プラン( 特典適用で、約7,500円お得)

以下の紹介リンク経由で登録することで、特典が付与されます。

Motion Arrayの料金プラン。
  • クーポンコードの入力は必要ありません。上記のリンク経由で登録することで自動的に特典が付与されます。
  • Motion Arrayのポリシーが変更されることにより、予告なく特典が無効になる可能性があります。
  • この特典を利用することで、初年度のみ12か月分の料金で14か月間利用できます(無料お試しではなく、”延長”という扱い)

Envatoの料金

Envato Elements の料金表。

Envatoの料金は以下の通り。

横スクロールできます →

月額年額
Individuals(個人)$33$198(1ヶ月あたり$16.5)
Teams(チーム【2名】)$58$348(1ヶ月あたり$29)
Enterprise(企業)お問い合わせお問い合わせ

1人で使うなら、Individuals(個人)プラン一択ですね。

月額料金を見てみると、$33 となっていてMotion Array($29.99)よりも高くなっているのですが、年額だとまさかの$198!

年額を1ヶ月あたりに換算すると $16.5 となるので、月払いと比較すると実質半額になります。

これは破格というか、やり過ぎ感が…

Envatoの場合は世界中に大勢のユーザーがいることで「薄利多売」を実現できているようです。

それでもクリエイターにしっかりと還元できているのか心配ではありますが。

Envatoでは「学割」が使えるため、学生の場合は料金が30%OFFになります。

学割の基本情報。

料金だけをみると、Envatoの勝利ですね。おそらくユーザー数が多いので、ここまでの低料金を実現できるのかと。

素材の質と数の比較!

※ ここでは動画関連の素材のみの比較とします。その他は比較できないので。

素材の質

素材の質に関して、両サイトの使用経験から言えることはどちらも質のばらつきが目立つということ。

「え!?こんなクオリティの高いテンプレが使い放題でいいの?単品で5,000円で販売されていても購入したいくらい」って思うこともあれば、「(失礼なのですが)このレベルの素材を使うくらいなら使わない方が良い」と思うこともあります。

平均すると「質は良い」という個人的評価になります。サブスク料金を考慮すると、どちらもかなりお得で、定期的に使うのであれば値段以上の価値があるのは間違いないです。

両サイトが提供している素材の質の違いに関しては、「同じくらい」と言えます。

探している素材によって、Motion Arrayの方が良いが見つかることもあれば、逆の場合もあります。(これが僕が両サイトを同時使用しようと思った最大の理由)

素材の数

それぞれのサイトで取り扱っている素材の数を種類ごとに比較してみます。(被っている項目のみ)

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Motion ArrayEnvato
Premiere Proのテンプレ・プリセット約18,100約8,200
After Effectsのテンプレ・プリセット約16,000約34,400
Final Cut Pro(+Motion 5)のテンプレート約3,500約4,700
DaVinci Resolveのテンプレート・プリセット約1,100約1,200
音楽・効果音約113,000約696,000
ストック映像素材・モーショングラフィックス約132,000約2,387,000
画像約100,000約4,221,000
数値はすべて独自調査。今後アップデートにより、数が大幅に前後する可能性あり。

トータルの数だけ見れば、Envatoが圧倒していますね。

もし、テンプレ以外の素材(音楽・効果音・ストック映像素材・画像等)も重要な決め手である場合は、明らかにEnvatoが優勢ですね。

ただし、Premiere ProユーザーにとってはMotion Arrayの方がいいかも。数字をよく見ると、Motion Arrayの方がPremiere Pro素材を多く取り扱っているということがわかります。

素材の著作権はどうなの?どんな用途に使える?各サイトの素材のライセンス

両サイトの素材とも、ロイヤリティフリーという扱いとなっており、一定のルールさえ守れば自由に使うことが可能です。(特にルールがない「著作権フリー」とは別)

なお、どちらの素材も使用する際のクレジット表記は必須ではありません。任意となっています。

クレジット表記とは… コンテンツの概要欄などに素材の配布元リンクを貼ったり、著作権を保有している製作者の名前を記載したりすること

当然ですが、両サイトとも素材の再配布・再販など、自分がその素材の著作権を保持しているように扱うことは禁止されています。

Motion Arrayの素材のライセンス

Motion Arrayはライセンスのシンプルさを売りにしているので、かなり単純となっています。(いくつかの注意点を除いて)

まず、基本的にはMotion Arrayの素材は個人利用および商用利用が可能です。

例として以下のような用途が認められています。

  • 動画広告
  • ソーシャルメディア
  • YouTube(収益化OK)
  • テレビ
  • ライブイベントなど
Motion Array アセットの用途一覧。
公式サイトから引用した用途に関する画像

Motion Arrayのライセンスに関する注意点

ストック映像素材には「Editorial use only(エディトリアル使用のみ)」と記載されている素材がありますが、その場合は商用利用はNGで、ニュース記事などの視覚的な参考資料としてのみ使用可能です。

Motion Arrayでは絞り込み機能を使えば「Editorial use only」の素材を除外できますので、商用利用可能な素材のみを探しているのであれば、この機能を使うことをおすすめします。

映像素材の使用権別に検索結果を表示するためのフィルター。

それに加えて、音楽素材の使用について注意点が1つ。

音楽素材で「P.R.O. Registered Track」または「YouTube Content ID」と記載されているものがあります。

P.R.O.(Performance rights organisation)とは、著作権者と、著作物を実演(perform)しようとする者との間を仲介し、使用料の徴収および分配の事業を行う組織のこと。

つまり、「P.R.O. Registered Track」は、この組織に素材が登録されていることを意味し、そういった素材を商用目的で利用する場合はロイヤリティ(使用料)が別途発生する可能性があります。

「YouTube Content ID」と記載されている素材に関しては、それを使用すると広告収入が著作権者に持っていかれたりします。

ふきだし用の顔アイコン。

いや、Motion Arrayのサブスク料金支払っているのに、それっておかしくない?

と思うかもしれませんね。

僕もそう思います。思い切って「P.R.O. Registered Track素材」や「YouTube Content ID素材」は提供停止してほしいと思っているほど。

一応、これに関しても絞り込み機能を使えば対象の素材を除外できます。

音楽素材の使用権のフィルター項目。
コンテンツIDステータスのフィルター項目。

解約後の素材の扱い

Motion Arrayを解約後であっても、Motion Array素材を使用して”契約中に作成し公開した”コンテンツを削除したり、特別な申請をしたりといったことはしなくも大丈夫です。そのままで問題ありません。

ただし、解約前にダウンロードした素材を使用して新たなコンテンツを作成することはNG。もう一度使用したい場合は再契約する必要があります。

より詳しいライセンス情報は公式のライセンスページから確認してみてください。

Envatoの素材のライセンス

※ ここでは動画関連の素材のライセンスのみ解説

Envatoの素材も一部を除いては個人利用および商用利用が可能です。

動画広告やウェブサイト、ソーシャルメディア、YouTube(収益化OK)等での使用はOK。

Envatoの場合は、素材を使用する度にライセンスを発行する必要があります。少しめんどくさいですが、サブスクが有効であれば何度でも繰り返し使えるので問題ありません。

プロジェクトにファイルを追加するプロセスを示すユーザーインターフェイス。
ライセンス発行の手順

素材を使用する度にライセンスを発行することで、素材を提供しているクリエイターにしっかりと報酬が支払われる仕組みとなっています。

音楽素材に関しては、Motion Arrayと同じように「P.R.O. Registered Track素材」と「YouTube Content ID素材」が存在します。

ただし、タチが悪いことに「YouTube Content ID素材」のみを除外する機能がありません。(P.R.O.素材は除外可)

YouTube動画用に音楽を使いたい方にとっては、Envatoはかなり使い勝手が悪いです。

こういった理由から、僕はEnvatoが提供している音楽素材は一切使用せず、音楽・効果音をメインで扱っているサイトの素材のみを使用しています。

そういったサイトの方が素材のクオリティが断然高いですし、ライセンスもさらに分かりやすくシンプルです。

解約後の素材の扱い

Motion Arrayと同じなのですが、Envatoを解約後であっても、Envatoの素材を使用した公開済みのコンテンツを削除したり、特別な申請をしたりといったことはしなくてOK。そのままで問題ありません。

ただし、解約前にダウンロードした素材を使用して新たなコンテンツを作成することはNG。もう一度使用したい場合は再契約が必要です。

より詳しいライセンス情報はLicense FAQから確認してみてください。

素材以外に利用できるサービスの違い

Motion ArrayとEnvatoでは素材以外に独自のサービスも提供しています。

Motion Arrayのサービス

Motion Arrayは動画メインのサイトなので、動画にフォーカスした以下の便利なサービスを提供しています。

Premiere Pro用プラグイン

Motion Array による Premiere Pro用プラグインの詳細ページ。

このPremiere Pro用プラグインを追加すれば、数多くのトランジションエフェクトをドラッグ&ドロップするだけで簡単に使えるようになります。

以下は実際にこのプラグインで使えるトランジションエフェクトをいくつか使ってみた動画です。

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Premiere ProやAfter Effects用の拡張機能(エクステンション)

Motion Array が提供するPremiere Pro 用プラグインの紹介ページ。

Premiere ProやAfter Effects用の拡張機能を追加すれば、Motion Arrayを編集ソフトの編集画面上で開く(埋め込む)ことができます。

つまり、Motion ArrayとPremiere Pro(またはAfter Effects)の間を行ったり来たりする、面倒で時間がかかる作業を短縮できます。

AIナレーション機能

先ほど少し触れましたが、Motion Arrayなら追加料金を支払うことで、AIナレーションが使えるようになります。

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日本語を含む多言語に対応しています… が、日本語の完成度はイマイチです。

実際に使ってみましたが、音声の発音に違和感があった場合に、手動で調整できないので、あまり実用的ではないと感じました。

一方、英語は文句のつけようがないくらい自然な音声が生成されます。

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Envatoのサービス

Motion Arrayとは違って、Envatoのサービスは動画にフォーカスしたものではありません。どちらかというとデザイナー向けです。

envato tuts+(オンライン学習サイト)

Envato Tuts+ のホームページ。

envato tuts+とは、主にクリエイティブな仕事(デザイン、音楽、プログラミング、動画など)で必要なスキルを習得できるオンライン学習サイトです。

現時点では、動画コースは1,280コース以上、電子書籍は120冊以上、ブログ記事形式のチュートリアル(ハウツー)は約30,000記事ほど用意されています。

Envatoユーザーなら、追加料金なしで完全無料で利用可。

ただし、残念なことに日本語には対応していません。

各サイトの解約条件と返金ポリシーは?

両サイトとも解約はいつでも可能です。

解約料は発生せず、好きな時に各サイトのアカウントページからサブスクリプションをキャンセルできます。そのためカスタマーサポートに連絡等は必要ありません。

返金に関しては、一度支払うとよっぽどの理由がない限り返金対応に応じてくれないようなので、まずは無料アカウントを作成して、どのような感じなのかを確認してから購入するといいかと思います。

結論

ここまで読んでいただけたのであれば、どちらを選ぶべきなのかは明白になったのではないでしょうか。

単純に言えば、動画のテンプレ重視ならMotion Arrayの方がお得ですし、動画以外のクリエイティブなデザイン系の素材も積極的に使っていきたいならEnvatoの方が良いかと思います。

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