このページは、次のように考えている方におすすめします。
- HitFilmに興味があるけど、使ってみるべき?
- Premiere ProやFinal Cut Proではなく、HitFilmを選ぶ理由は?
- HitFilmの有料版(Creator、Pro)にアップグレードするべきか迷っている
HitFilm(ヒットフィルム)は少し前に一新(大型アップデート)されたことで、話題沸騰中の動画編集ソフトとなっています。
HitFilmの最上位版である「HitFilm Pro」を一通り使ってみました。使ってわかったメリットやデメリットを、レビューとしてまとめてみます。
※ 当ページはPRを含みます。
知っておきたいHitFilmの基本情報
レビューを読む前に、以下のことを知っておきましょう。
- HitFilmは動画編集&VFXソフト
- HitFilmは「FXhome」というブランド名のもと、開発・販売されている
- FXhomeには「HitFilm」と「Imerge(画像編集ソフト)」、2種類のソフトがある
- HitFilmには3つのバージョンがある(HitFilm Free、HitFilm Creator、HitFilm Pro)
HitFilmのメリット(良い点)
まずは、HitFilmの良い点をまとめました。
- 機能がとにかく満載
- 無料版でも電子透かしなしで書き出せる
- 無料版で使える機能が多い
- 有料版は割と安い
- 画像編集ソフトもセットで使える
- MacとWindowsに対応
- 無駄のない編集画面で、使いやすい
- ユーザー数が多くて安心
機能がとにかく満載

HitFilmはとにかくパワフルで機能が満載の動画編集ソフトです。
普段YouTubeで見るような動画の編集はもちろん、映画の編集でも実用的。
VFX制作にも対応しているので、リアルな合成やエフェクトを追加するのも得意です。
シームレスに「動画編集のタイムライン」と「コンポジット(合成)のタイムライン」の切り替えができるのも最高。ストレスフリーです。

少し大げさかもしれませんが、AdobeのPremiere ProとAfter Effectsを1つにまとめたようなソフトとなっています。
HitFilmで具体的にどういったことができるのか、は以下の記事で確認できます。
無料版でも電子透かしなしで書き出せる
HitFilmの無料版だと、HD(1080p) までは電子透かしなしで動画の書き出しが可能です。
電子透かし(ウォーターマーク)・・・著作権保護などのために画像や動画に写し込まれる文字や図
多くの場合、無料で使える動画編集ソフトでHD動画を書き出すと、電子透かしが入ります。
HitFilmの無料版ならHD動画は電子透かしなし。
ただし、有料版専用のエフェクトを追加すると電子透かしが入ります。

無料版で使える機能が多い
HitFilmは無料版であっても使える機能が多く、基本的な編集ツール+αが備わっています。
例えば以下のようなことができます。
- テキスト(テロップ)の挿入
- クリップ(動画や画像)のカット
- クリップの大きさや位置の変更
- クリップの透明度の変更
- カラー調整(ホワイトバランスや明るさなど)
- オーディオの音量調節や速度の変更
- キーフレームアニメーション
- 複数レイヤーの追加
さらに、以下のようなエフェクトも完全無料で使えます。
- モザイク(ぼかし)
- グリーンバックの透過(透明化)
- トランジション(クロスディゾルブ、プッシュ、ズームなど)
- クロップ&パン
- レターボックス
- エコー(オーディオ)
- ピッチ(オーディオ)
凝った編集をせずに、YouTubeやSNSに気軽に動画投稿するのであれば、無料版でも十分ではないでしょうか。
有料版は割と安い
HitFilmは有料版であっても、1ヶ月あたり$7.50(約1,000円)~なので、割と安いです。
他の人気の動画編集ソフトだと1ヶ月あたり2,500円以上だったり、買い切りの場合は4万円ほどかかります。
そういった動画編集ソフトと比較すると、HitFilmはお財布にやさしいです。
他にも以下のような魅力があります。
- 有料版なら画像編集ソフト「Imerge」が付属
- 動画アセット(Artlistの音楽&効果音、Motion Arrayのテンプレート)も付属
- 最上位版である「HitFilm Pro」なら数万円ほどの価値のある「サードパーティのプラグイン」が使える
こういった魅力があるので、納得の料金です。
これ以上安くすると、長期的なソフト開発に支障をきたすのではないかと不安になってしまいます。
Imerge(画像編集ソフト)もセットで使える

FXhomeのサブスク型プランである「Creator」または「Pro」なら、HitFilmだけでなく、画像編集ソフト「Imerge(イマージ)」も一緒に使えます。
Imergeは料金に含まれますので、追加料金は一切かかりません。
Imergeは、PhotoshopとLightroomの良いとこ取りをしたような画像編集ソフトで、かなり実用性が高いです。
とはいっても、既に他のお気に入りの画像編集ソフトがある場合は、いまのところは乗り換えるまでもないかな、という感じです。
僕はAffinity Photoを愛用しているのですが、そっちの方が好きです。Affinity Photoの方が「かゆいところに手が届く」ので。
ただ、Imergeには独自の良い点があるので、ぜひ一度は試してみてほしいソフトです。
WindowsとMacに対応

HitFilmは「Windows」と「macOS」に対応しています。
どちらかに乗り換えた場合でも、同じアカウントで引き続き使えるので、「サブスクの有効期限がまだ残ってるのに…」と損をしてしまうのを回避できます。
ただし、性能がよろしくないPCだと、HitFilmが上手く動作しないかもしれません。ですので、使用または購入前に、公式サイトから最新のシステム要件を確認してください。
無駄が一切ない編集画面(UI)で、使いやすい
今まで10以上の動画編集ソフトを使ってきたのですが、HitFilmの編集画面(UI)が一番好きです。
「ズバ抜けて好き!」というわけではありませんが、「これ以上どう改善すればいいの?」と思えるくらい洗練されています。
一度チュートリアルを見るだけで、使い方を簡単に覚えられたのは感動的でした。
さらに、各機能へのアクセスも高速でできるように熟考されています。
また、モダンでスタイリッシュな見た目も好きです。
見た目は、どうでもいいように思えますが、意外と重要。編集画面のデザインはファッションようなもので、良いデザインを見れば自然と気持ちが高まります。それがやる気にも繋がりますので、見た目も重要です。
HitFilmとよく比較される「DaVinci Resolve」の方が使いやすい?それとも…
僕はDaVinci Resolveの有料版(DaVinci Resolve Studio)と、HitFilmの最上位版(HitFilm Pro)を持っているのですが、HitFilmの方が使いやすいなと感じています。
DaVinci Resolveはビビってしまうほど多機能である代わりに、使いこなすまでに時間がかかります。
その一方で、HitFilmは、DaVinci Resolveと同等の機能性はないものの、初心者でもすぐに覚えられるように設計されています。
プロの映像クリエイターやVFXデザイナーとして、長期的に動画編集をゴリゴリしていくなら「DaVinci Resolve」、機能面を少しだけ妥協して、手軽さ・扱いやすさを重視するなら「HitFilm」の方が良いのかなと思います。
HitFilmは日本語で使えないのは欠点ではありますが…
ユーザー数が多くて安心
HitFilmは、海外では人気の動画編集ソフトです。
公式情報によると、これまで650万人以上のユーザーを獲得しているようです。
ユーザーが多いことで、オンラインコミュニティが活発であったり、長期的なアップデートが期待できます。
せっかくHitFilmの使い方をマスターしても、開発が終了してしまったら、相当めんどうなことになります。代替ソフトを探して、そのソフトを使い方を1から覚えないといけないので。
HitFilmはもう10年以上前からありますし、定期的なアップデートやYouTube・SNSでの活動の様子をみていると、無くなる気配は今のところなさそうです。
HitFilmのデメリット(残念な点)
HitFilmの残念な点は以下の通り。
- 日本語で使えない
- 日本語のチュートリアルが比較的少ない
- テキスト背景を入れるのがめんどくさい
- 無料版だと「アップグレードボタン」が悪目立ちしている
- HitFilm対応のプラグインが少ない
- Imergeが不要でもついてくる
日本語で使えない
日本語で使えないのは、HitFilm最大の欠点です。
英語への苦手意識がなかったり、他の動画編集ソフトを使った経験がある人なら特に問題はないと思います。
そうでない場合は、HitFilmはおすすめしません。定番の動画編集ソフトである「Premiere Pro」や「DaVinci Resolve」あたりから始めることをおすすめします。
この言語問題さえなければ、HitFilmはかなり使いやすい動画編集ソフトなんですけどね…
テキストは日本語フォントに対応しています。

日本語チュートリアルが比較的少ない
日本語で使えないソフトというだけあって、日本人によるHitFilmのチュートリアルは少なめです。
一応、FXhomeの公式YouTubeチャンネルには、数多くのHitFilmチュートリアル動画がありますが、すべて英語で解説されています。
字幕設定を日本語(自動翻訳)にすれば、なんとか理解できますが、やはり日本語解説と比較するとわかりづらいです。
HitFilmには「Learnパネル(学習パネル)」が搭載されているが…
はじめてHitFilmを開くと、Learnパネル(学習パネル)が画面左側に表示されます。

ここからHitFilmの基本の使い方を動画で学べます。
Learnパネルにあるチュートリアル動画は、タイムライン上の”編集中のデータ”と連動しているので、手を動かしながら覚えられるので効率的。
ただし、解説がすべて英語なので、英語が苦手だと理解するのが難しいです… しかも、動画が小さくて見づらい!
もう少し大きく表示できるようにしてほしいです。
テキスト背景を入れるのがめんどくさい
テキスト(テロップ)背景を頻繁に入れたい人にとっては、HitFilmは向いていないかもしれません。
その理由は、テキスト背景を入れる時、「テキストの設定から直接追加する」のではなく、「長方形(背景)を作成して、その上にテキストを重ねる」という手順を踏まないといけないからです。

レイヤーとして重ねないといけないですし、テキストと長方形の位置調整をいちいちしないといけないので、めんどくさいなと感じます。
一方で、AdobeのPremiere Proだと「テキスト設定から直接背景を追加できる」のでラクです。レスポンシブ設定のおかげで位置調整の手間を省けたりもします。
無料版だと「アップグレードボタン」が悪目立ちしている

無料版(HitFilm Free)だと右上の「アップグレードしてくださいボタン」が気になります。
これは性格によると思いますが、僕にとっては集中力を奪う要素。
FXhome側の立場で考えると、無料ユーザーだけじゃビジネスとして成り立たないので、アップグレードしてほしい気持ちはわかります。
ただ、もう少し控えめにしてほしい…
HitFilm対応のプラグインが少ない
定番の動画編集ソフト(Premiere ProやFinal Cut Pro)などは、サードパーティ(他社)のプラグインが数多くあります。そういったプラグインを使えば、元々の機能では物足りない場合、簡単に”アップグレード”できます。
その一方で、HitFilmはサードパーティのプラグインはほとんどありません。
FXhomeのサポートの方に「推奨プラグインはありますか?」とダメ押しで聞いてみたら、以下の回答を得られました。
HitFilm では、サードパーティのプラグインを使用することはサポートされていませんので、おすすめすることはできません。
そもそも、2022年にHitFilmが一新されてからは、サードパーティのプラグインはサポートされていないようです。
一応、「HitFilm Pro」であれば、プラグインが必要ないほど、使える機能やエフェクトが満載ですし、HitFilmが公式でサポートしている数少ない”サードパーティのプラグイン”も使えるようになります。
それらはプラン料金に含まれていますので、追加料金はなしです。
とはいえ、Final Cut ProやDaVinci Resolveのプラグイン制作で有名な「MotionVFX」を知ってしまうと、「もう少しオープンになってほしいな」という気持ちになります。
MotionVFXのプラグインは本当に便利で、なくてはならない存在と言えるほど依存しています…
Imergeが不要でもついてくる
これはメリットでありデメリットでもあります。
画像編集ソフトが必要な場合は、追加料金なしで使えるので嬉しいですよね。
一方で、必要ない人からすれば「Imergeはなくてもいいから、料金を少し安くしてほしい」と思ってしまいます。
Imergeは優秀なソフトですが、オプションで追加できるようにしてほしいです。
HitFilmはこんな人におすすめ
- 英語アレルギーを持っていない
- 他の動画編集ソフトを使ったことがある
- 無料で動画編集したい
- モダンでかっこいい見た目の動画編集ソフトを使いたい
- サードパーティのプラグインにお金を払いたくない
- 画像編集ソフトも一緒に使いたい
- VFX制作もしたい
これらに当てはまるのであれば、HitFilmはぜひ試してほしい動画編集&VFXソフトです。