このページは、こんな不安や疑問をもつ人におすすめです。

  • 音楽の著作権問題が不安で、Artlistの導入を検討している
  • Artlistのライセンス内容を詳しく知りたい
  • 「Artlistの素材は商用利用OK」と聞いたけど、本当なの?

動画制作者向けの定額制プラットフォームとして、音楽・効果音・映像素材からAI生成ツールや動画編集テンプレートまで、クリエイターの制作を幅広く支える「Artlist」。

僕自身、数年前から愛用していますが、その間に提供プラン・規約が何度か変更されました。そのため、YouTubeやブログには古い情報や誤った説明も出回っているのが現状です。

「ライセンスの確認」は世界共通の大原則。この記事では、「難解なライセンス文書を読む前に知っておきたいポイント」や「誤解されやすい注意点」などを、できるだけわかりやすくまとめています。

まずはこの記事で全体像や重要なポイントを整理してから、公式ライセンス・規約の原文も確認してください。

Artlistでは音楽や効果音、映像などの素材を「アセット(Asset)」と表現しています。ただ、日本語では「素材」のほうがしっくりくるので、この記事内では「素材」と表現します。

※ 当ページは法的助言を提供することを目的としたものではありません。

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著作権フリー?Artlistライセンスのきほん

Artlistのウェブサイトを表示する2つのPC。

まず知っておきたいのは、Artlistの素材(音楽・効果音・映像・テンプレートなど)は「ロイヤリティフリー」として提供されていることです。

「ロイヤリティフリー」とは、一度ライセンス料(またはサブスクリプション料金、クレジットなど)を支払えば、追加の著作権使用料(ロイヤリティ)を気にせず、利用規約の範囲内で何度でも素材を使える仕組みのことです。

ここでいう「ロイヤリティ」は本来、著作権者に都度支払う“使用料”のこと。「フリー」と聞くと“無料”や“何でも自由”を連想しがちですが、ロイヤリティフリーの場合は、「決められた範囲内で繰り返し使っても追加料金がかからない」という意味です。すべてが無制限に自由というわけではありません。

ロイヤリティフリー素材の購入方法には、主に「買い切り(単品購入)型」と「サブスクリプション(定額制)型」があり、そのほか「クレジットパック」などの方式や、複数の支払い方法を選べるサービスもあります。

ロイヤリティフリー素材の購入タイプの図。

従来は、素材を利用するたびに著作権者と個別に交渉し、毎回使用料が必要でした。今では、ロイヤリティフリーサービスのおかげで、複雑な手続きや追加費用を気にせず、かんたんに安心して素材を使えるようになりました。

Artlistはサブスクリプション型のサービスで、契約期間であれば繰り返し素材を使用できます。

プランによってライセンスルールが異なる

Artlistには、利用シーンや対象規模によって選べる3種類のライセンスがあります。

  • Social(ソーシャル)ライセンス
  • Pro(プロ)ライセンス
  • Business(ビジネス)ライセンス

横スクロールできます →

プラン名ライセンス料金主な内容
Music & SFX SocialSocial$14.99/月
または $119.88/年
音楽とサウンドエフェクト(SFX)
Music & SFX ProPro$299/年音楽とサウンドエフェクト(SFX)
Music Pro$199/年音楽のみ
AI Voiceover$15.99/月
または $143.88/年
AI音声ツールのみ
AI Suite$19.99〜/月
または $179.88〜/年
すべてのAI生成ツール
Footage & Templates$383.88〜/年映像と動画編集テンプレート
Artlist Max$479.88/年〜すべての素材とツール
BusinessBusiness個別見積もりカスタマイズ可能

Socialライセンス

Socialライセンスは、個人のクリエイター向けに設計されたエントリープランです。

対象プラン:

  • Music & SFX Social

特徴:

  • 自身のSNSアカウント(YouTube、Instagram、TikTokなど)での利用が対象。
  • ポッドキャストもOK。
  • 1契約につき「1プラットフォームごとに1チャンネル/アカウントのみ」。
    • 例:YouTubeなら自分の1チャンネルのみ
  • 自分のアカウントに投稿した動画の収益化はOK。
  • ただし、YouTube広告(動画広告)として出稿することはできない。
  • 法人用のYouTubeやSNSアカウントの場合は、1チャンネル(1アカウント)であってもProライセンス以上が必要。

Socialライセンスの対象となるプラットフォーム:

  • YouTube
  • Facebook
  • Instagram
  • TikTok
  • Twitch
  • Podcast

※ X(旧Twitter)はProライセンスが必要であることに注意

Proライセンス

Socialライセンスと比較すると、Proライセンスではカバーされる用途がグッと広がります。公式サイトでは「Everything(すべて)」と表現しているほど。

対象プラン:

  • Music & SFX Pro
  • Music Pro
  • AI Voiceover
  • AI Suite
  • Footage & Templates
  • Artlist Max

特徴:

  • フリーランスや法人が商業プロジェクトやクライアント案件で使えるプラン。
  • 最大3つのYouTubeチャンネル/SNSアカウントまで登録・収益化可。
  • 動画広告、企業のSNS動画、結婚式映像、Webサイトなど幅広い用途で使用できる。(商用利用OK)
  • 自分自身の動画だけでなく、クライアントへの“納品動画”でも利用できる。

Businessライセンス

Proライセンスの範囲外の特殊な用途や、50名を超える企業・団体、大規模案件が対象のカスタムプランです。

対象プラン:

  • Business

特徴:

  • アプリやソフトでのエンドユーザー配信、放送局、イベント上映、ビルボード、大量の印刷物(50万部超)など特殊な商用利用もカバー。
  • 要見積もりで、各種カスタマイズ可。
  • CID(Content ID対策)やチャンネル数無制限なども追加できる。

Artlist素材のライセンスは解約後どうなる?

契約期間中にArtlistから素材をダウンロードし、その素材を使ってコンテンツ(動画など)を制作・公開した場合、そのコンテンツに対するライセンスは永久に有効です。これは、コンテンツが「契約中にすでに公開されている」という条件が前提となります。

一方で、たとえ手元にダウンロード済みのArtlist素材があっても、契約が終了した後は、それらを使って新しいコンテンツを制作・公開することは禁止されています。解約後に新たなプロジェクトで素材を利用したい場合は、再び契約(サブスクリプションを再開)する必要があります。

これは公式サイトでも明示されています。

Once you create Projects using downloaded Assets and publish them in any media during your subscription, you can keep using your Projects in the same media and monetize them forever, even after your subscription has expired.

You’re covered to create and publish your Projects while your account is active. When your subscription expires, those Projects can remain published in any media, but any new projects will not be covered.

サブスクリプション期間中にダウンロードした素材を使ってプロジェクトを作成し、それをいずれかの媒体に公開した場合、そのプロジェクトはサブスクリプションが終了した後も同じ媒体で継続して利用・収益化し続けられます。

アカウント(サブスクリプション)が有効な間は、新しいプロジェクトを作成・公開できます。サブスクリプションが終了すると、それまでに公開したプロジェクトは引き続きあらゆる媒体で利用できるものの、新しいプロジェクトについてはライセンスの対象外となります。

Artlist License

これはサービスやアーティストの利益を守り、健全な環境を維持するために必須のルールといえるでしょう。

音楽・SFX以外の素材のライセンス

Artlistで提供されている映像素材、動画編集テンプレート、AI音声・AI画像・AI動画、LUT(カラープリセット)といった「音楽・SFX以外の素材」は、ProもしくはBusinessライセンスのみで利用が可能です。Socialライセンスでは利用できません。

つまり、これらの素材を使用したい場合は、Music & SFX Social(最安プラン)以外のプランを選択する必要があります。

Artlist素材は単体での使用はできない

Artlistのライセンス規定では、ダウンロードした素材を単体で(独立したファイルとして)公開・配布・配信することは禁止されています。

たとえば、以下のような使用は認められていません。

  • BGM集の動画、効果音集の動画
  • 歌詞動画
  • Artlist音楽を単にBGMにした動画ループ
  • ダウンロードしたAI音声やナレーション素材を音声ファイル単体として公開する

動画をはじめとする「プロジェクト」の一部として、他の映像や音声と組み合わせて利用する必要があります。

静止画は特殊な扱い

静止画(still images)については、「デジタルまたは物理的なマーケティング資料、製品パッケージといった(動画や音声ではない)静的プロジェクトでの利用が認められています。


ただし、

  • 静止画をファイル単体として配布・販売・公開はできません。
  • あくまで“静的プロジェクトの中にデザイン要素・ビジュアル素材として組み込む”場合のみ利用が許可されています。
  • 1プロジェクトにつき最大50万部、再販売目的は不可。

原文は以下のとおり:

The only exception to this is still images. These are the only Assets that can be integrated also into static Projects, such as digital or physical marketing materials, or product packaging, with a print limit of 500,000 copies per Project — as long as the Projects are not for resale purposes.

唯一の例外は静止画像です。静止画像は、デジタルまたは物理的なマーケティング資料、製品パッケージなどの静的プロジェクトにも組み込むことができる唯一のアセットであり、プロジェクトあたり50万部の印刷制限があります。ただし、これらのプロジェクトが再販売を目的としていないことが条件となります。

Artlist License

このように、Artlist素材はいずれも“単体の素材ファイル”としての利用はできず、必ず何らかのプロジェクトの要素としてのみ認められています。 

料金を支払っていても、素材の所有者にはなれない

Artlistに料金を支払うと、素材をプロジェクトで「使う権利」が得られます。素材そのものの所有者や著作権者になるわけではありません

つまり、以下のような行為は禁止されています。

  • Artlist素材や、それを使って作った自分の動画を「自分だけのもの」として独占的に登録・管理すること
    • 例:YouTubeのContent IDやFacebook Rights Managerなどの著作権管理システムに、自分の著作物として登録・申請すること
  • Artlist素材や、それを使った作品をロゴや商標、サービスマークにして独占的に利用、登録すること

これらのルールは、Artlistやアーティスト、そして他のすべてのユーザーの権利と自由な創作活動を守るために設けられています。

その他のNGケース

Artlistの素材について、以下のような使い方は禁止されています。

  • 素材の再販売・再配布
    • Artlistからダウンロードした音楽や映像素材、AI音声などを、そのまま他人に配布・販売したり、テンプレートとして配布したり、他のストックサイトへ再登録すること。
  • リミックスや自作名義での販売
    • Artlistの楽曲や効果音をアレンジや改変して「自分のオリジナル」として他の配信サービスや販売サイトで公開・販売すること。
  • 誹謗中傷や犯罪助長、公序良俗に反する利用
  • アプリ・ゲーム・デジタル製品への組み込み・配信(Businessライセンス未契約の場合)

これらはよくある代表的な禁止例です。ライセンス条件は明快に定められており、一般的な動画制作やSNSでの利用であれば、ほとんどの場合は安心して利用できます。

自分の利用方法がOKかどうか、少しでも不安を感じる場合は、サポートに問い合わせることをおすすめします。

YouTubeとSNSアカウントの登録をお忘れなく

YouTubeやSNSでArtlistの素材を使う場合は、自分のチャンネルやアカウントをClearlist(クリアリスト)に登録する必要があります。

Clearlistとは?

Clearlistとは、Artlistの管理画面から自分のYouTubeチャンネルやSNSアカウントを事前に登録できる仕組みです。

これにより、著作権侵害の申し立て(Content ID等)による動画の収益化停止などのトラブルを未然に防げます。

Artlistにソーシャルメディアのアカウントを登録するためのページ。

登録を忘れたり後回しにしてしまうと、収益獲得の機会を失ってしまう可能性があります。素材を使い始める前に、必ずClearlistへの登録手続きを済ませておきましょう。

なお、サブスクリプション契約期間中であれば、合理的な範囲で登録済みのチャンネルURLやアカウントIDを変更できます。

特定の動画URLを動画単位でClearlistに登録することも可能です。たとえば、クライアントのチャンネルで動画を投稿した場合。

Clearlistの具体的な登録手順は、以下の記事で解説しています。

無料アカウントでも素材のダウンロードはできる。でも…

Artlistには無料アカウント(無料体験版)があり、音楽や映像素材を実際にダウンロードして自分の制作環境で試せます。

ただし、無料アカウントでダウンロードした素材には電子透かし(ウォーターマーク)が入ります。
音楽やSFXには「Artlist.io」などと発音する音声が重ねて入り、映像素材には画面中央にArtlistのロゴが表示されます。

Artlistのロゴ。

……..Artlist io……..Music licensing reimagined……..

電子透かし付きの素材は、「Artlistの素材がどんなものか実際に試してみたい」ときの“お試し用”です。一般公開や配布、商用目的での利用はできません。

Artlistにはどうやって問い合わせればいい?

ヘルプセンターのページ下部にある「チャットアイコン」をクリックすることで、メッセージが送れます。

Artlistのヘルプセンター。

ライセンスで不明な点がある場合は、チャットから問い合わせてみてください。

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